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2024.11.20
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様々な会社のリーダーや創業者の半生を追いかけては心躍らせる「創業者オタク すずきすい氏」に、多様な創業者たちの名言を紹介いただきました。今回は、挑戦者にとって強力な指針となる柳井 正(やない ただし)氏 : 株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)創業者 】の言葉です。
柳井正 氏は、小郡商事という父の会社を引き継ぎ、社長に就任。改革を行うべく、「ユニーク・クロージング・ウエアハウス(Unique Clothing Warehouse、略称ユニ・クロ)」と銘打って、広島市にその第1号店を開店。そこから一代で世界中で愛されるブランドへと成長させました。そんな柳井氏は、2022年4月、卒業生として早稲田大学の新入生に、この言葉を語りかけたのでした。
元々、幼い頃から、内気で口数の少ない性格の持ち主である柳井氏。学生時代も、今回取り上げる言葉とは裏腹に、生きていく上での使命感や、自分とは何者なのかを、何一つ掴めていなかった学生だったのです。特定の仲間たちと他愛もない話を弾ませ、麻雀に明け暮れ、ジャズを聞きながら本を読み、気が付けば、一週間があっという間に過ぎていく、そんな怠惰でお気楽なニート生活を送っていました。
新卒で入社したジャスコ(現・イオン)を9ヶ月で辞め(理由は働く意味を見い出せなかったから)、プータロー生活を経て、家業(小郡商事:ユニクロの前身)に戻り、跡取りとなります。決してやりたかった仕事ではなかったと柳井氏は振り返りますが、それでも、自分にはこの道しかないと腹を決めたのも事実。もう自分には後がない…そう考え始めた時、自然と彼の中で、「家業はこのままでは潰れる」「もっとせねばならないことがある」「もっと世のため人のためになる商売でなくては」と奮い立ったのでした。そこからというもの、もがき続けた暗黒の時代を経て、ユニクロは世界へと躍進していくのです
柳井氏のこの言葉には大きく「使命感」と「自己認識」の哲学が組み込まれています。自分は何者で、何を成し遂げたいのか。それを自分の中で明確にすることこそが最も重要であるというわけです。そしてそれは、商売における小さな行動一つ一つにも影響するものです。
「なぜこのレイアウトなのか」「なぜこの商品をここに置くのか」
跡取りとして、家業に戻ってきた柳井氏が社員に投げかけた問いです。ただ単に「昔からやっているから」「周りがそうしていたから」では、自分の思い描く世界にはなりません。
目指す先を決めて、それに対する行動を、自分なりの明確な理由を持って、コツコツ実行する。これこそが、彼が当時から心がけてきた姿であるわけです。
柳井氏のこの姿勢は、ユニクロが「ライフウェア」というコンセプトを打ち出し、単なるファッションではなく、生活を豊かにする服を提供するブランドへと成長した背景にもつながっています。使命感がなければ、これほどの独自性を持つブランドへと進化することはできなかったでしょう。
この記事の著者である私、すずきすいは、自身のことを「創業者オタク」と胸を張ります。創業者オタクとして、自分は何ができるか、世のために何をすべきか、常に軸として考えています。おかげで、自分の本来の強みや好みに包まれながら、日々、力強く活動することができているように感じます。
まさに柳井氏は、お気楽ニート生活に終わりを告げ、家業を継ぎ、新たに事業を創っていこうと決意した時、自分は、衣服から世界を変えてみようと、自分はそういう人生を全うするのだと、心に決めたのでしょう。彼の醍醐味であるコツコツ積み上げる行動は、まさに、そんな揺るがない源動力から生まれたものであります。
今回ご紹介した名言から学べるポイントは、
・自分の使命を見つけることが重要
・そのためには自分は何者かを自分で決めることが必要
・使命感がもたらす行動力と持続力
と読み解けます。
これから挑戦を始める方にとって、この言葉は自分の存在意義を問い直し、挑戦を続ける力を与えるものとなるでしょう。まずは、自分が何者なのか、自分で定義してみてはどうでしょうか。言葉の力を纏って、さらなる挑戦へ。
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