LOADING

ヘッダーロゴ

起業を応援するメディア

会社設立

会社設立後の手続きチェックリスト【労務編】

2026.05.26

労務

会社設立

手続き

起業家

準備

読了時間目安

5分

会社を設立して採用や組織づくりを始めるときに、見落としやすいのが「社会保険・労働保険・雇用保険」といった労務まわりの手続きです。加入漏れや手続きの遅れがあると、思わぬ保険料負担が発生する、従業員が本来受けられるはずの給付を受けられなくなる場合もあります。

この記事では、法人を立ち上げた起業家や、フリーランスから法人成りした方に向けて、「会社設立後の手続きチェックリスト【労務編】」として、採用や法人設立前後に確認したい労務手続きを整理します。

※この記事の内容は、2026年2月時点で公表されている情報(厚生労働省や日本年金機構など)をもとに作成しています。制度改正の可能性があるため、詳細は必ず各機関の最新情報をご確認ください。

まず全体像をつかむ:労務手続きは「社会保険」「労働保険」「雇用保険」

まず全体像をつかむ:労務手続きは「社会保険」「労働保険」「雇用保険」

労務関連の手続きは、主に3つの領域に分かれます。
■ 社会保険(健康保険・厚生年金保険):窓口は日本年金機構・年金事務所など
■ 労働保険(労災保険・雇用保険のうち、労災保険分):窓口は労働基準監督署など
■ 雇用保険(労働保険のうち、雇用保険分):窓口は公共職業安定所(ハローワーク)

また、会社の雇用状況によって必要な手続きは異なります。
■ 社長一人のみ(役員1名・従業員なし)の場合
■ 従業員を雇っている、または今後雇う予定がある場合

「社長一人のみの場合」でも、一定の法人形態や勤務実態では社会保険の適用が必要になります。「従業員を雇う(予定がある)場合」には、社会保険に加えて労働保険・雇用保険の手続きが加わる点が大きな違いです。

社長一人でも必要な社会保険の手続きチェックリスト

社長一人でも必要な社会保険の手続きチェックリスト

法人の場合、たとえ社長一人の会社でも、原則として健康保険・厚生年金保険の加入対象(強制適用事業所)です。

社長一人の会社でも必要になる、主な社会保険の手続きは次のとおりです。

健康保険・厚生年金保険 新規適用届
・目的:会社として、健康保険・厚生年金保険の適用を開始するための届出
・提出先:日本年金機構(事務センターまたは管轄の年金事務所)
・提出期限:適用事業所の事実発生から5日以内

新規適用届の提出により、「会社として社会保険の適用事業所となる」手続きが完了します。

参考:日本年金機構丨新規適用の手続き(閲覧日:2026年2月24日)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150311.html

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
・目的:社長や従業員など、個々の加入者(被保険者)が社会保険に加入するための届出
・提出先:日本年金機構(事務センターまたは管轄の年金事務所)
・提出期限:被保険者の事実発生から5日以内

社長本人や家族の状況によって必要な届出は変わるため、詳細は日本年金機構や加入している健康保険組合の案内ページで確認してください。

参考:東京実業健康保険組合丨新規採用者があったとき、被保険者に変更があったとき(閲覧日:2026年2月24日)
https://www.tojitsu-kenpo.or.jp/member/jimu/guide02_a.html

参考:日本年金機構丨健康保険・厚生年金保険事務手続きガイド(閲覧日:2026年2月24日)
https://www.nenkin.go.jp/service/doga/doga_kounen/shintekidouga.html

従業員を雇うときの労働保険・雇用保険の手続きチェックリスト

従業員を雇うときの労働保険・雇用保険の手続きチェックリスト

従業員を雇う場合には、社長一人の場合に適用・取得する社会保険に加えて「労災保険」と「雇用保険」の手続きが必要です。

労働保険(労災保険)の手続き

従業員を一人でも雇った場合、原則として労働保険(労災保険)の保険関係が成立します。代表的な手続きは次のとおりです。

労働保険 保険関係成立届
・目的:労災保険を適用するための届出
・提出先:所轄の労働基準監督署
・提出期限:保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内

労働保険 概算保険料申告書
・目的:1年分の見込賃金に基づき保険料を申告・納付するための書類
・提出先:所轄の労働基準監督署など
・提出期限:保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内

参考:厚生労働省丨労働保険の成立手続(閲覧日:2026年2月24日)
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_2.htm

雇用保険の手続き

一定の条件を満たす従業員を雇う場合には、雇用保険への加入も必要です。

主な手続きは次のとおりです。

雇用保険 適用事業所設置届
・目的:雇用保険の適用を受ける事業所として、公共職業安定所に設置を届け出るための書類
・提出先:所轄の公共職業安定所
・提出期限:設置の日の翌日から起算して10日以内

雇用保険 被保険者資格取得届
・目的:雇用保険の対象となる従業員ごとに、被保険者としての資格取得を届け出るための書類
・提出先:所轄の公共職業安定所
・提出期限:資格取得の事実があった日の翌月10日まで

採用が決まり、就業開始日が見えた段階で、社会保険・労災保険・雇用保険の届出を確認すると、抜け漏れが防げます。

自分で対応しやすい手続きと、専門家に相談する場面の線引き

自分で対応しやすい手続きと、専門家に相談する場面の線引き

設立直後の手続きは自分で対応できるものもありますが、専門性が必要になる場面も増えていきます。

自分で対応しやすい手続き
・会社設立時の社会保険─新規適用届・被保険者資格取得届など、様式と記載例がそろっているもの
・従業員数が少なく、雇用形態もシンプルな会社設立初期段階での手続き

専門家への相談や、ツールの活用を検討したい場面
次のような場面では、社会保険労務士(社労士)への相談やクラウド型の労務・給与計算ツールの活用も検討しましょう。
・従業員数が増え、毎月の給与計算や社会保険料の計算・納付が複雑になってきたとき
・年度更新や算定基礎届など「定期的な手続き」が増えてきたとき
・時間外労働や休日労働が発生し、「36協定」の届出など労働時間管理が課題になってきたとき

「まずは自分でやってみる」というスタンスは大切です。そのうえで、専門家へのスポット相談やツールの活用も組み合わせ、本業に使える時間を確保していきましょう。自社の状況やバランスをふまえて判断することが重要です。

今日からできる「抜け漏れ防止」3ステップ【労務編】

今日からできる「抜け漏れ防止」3ステップ【労務編】

step1:自社の状況を書き出す
まずは、次のような項目を書き出します。
・役員数と役員報酬の有無
・従業員数と、今後1年以内の採用予定
・雇用形態(フルタイム・パートタイムなど)

そのうえで、この記事で挙げたチェックリストを見ながら、「自社に必要なもの」「当面は不要なもの」に〇×をつけていくと、やるべきことが可視化できます。

step2:採用予定日・雇用開始日から逆算してカレンダーに落とし込む
採用や雇用開始の日程が見えてきたら、社会保険・労災保険・雇用保険の届出期限をカレンダーやタスク管理ツールに登録しましょう。

「誰が」「いつまでに」対応するかを決めておくことで、採用と手続きを並行して進めやすくなります。

step3:不安な項目は相談先リストを作る
判断に迷う場面に備えて、次のような相談先をリスト化しておくと安心です。
・顧問候補やスポット相談に対応する社会保険労務士
・自治体の創業支援窓口・商工会議所
・年金事務所・公共職業安定所・労働基準監督署の相談窓口

まとめ:税務編と合わせて“抜け漏れ防止”を

まとめ:税務編と合わせて“抜け漏れ防止”を

「労務編」として、社会保険・労働保険・雇用保険に関する会社設立後の主な手続きを整理しました。

税務手続きと同じく、労務手続きも「いつ・どのタイミングで・どこに届け出るか」を早めに把握しておくことで、採用や組織づくりを安心して進められるようになります。

前の記事「税務編」と合わせてチェックして、必要な手続きと期限を洗い出しながら土台づくりを進めましょう。

会社設立後の手続きチェックリスト【税務編】

この記事を読んだあなたに
おすすめの記事

起業に必要な費用の目安は?なるべく低予算に抑える方法も

2025.05.02

起業に必要な費用の目安は?なるべく低予算に抑える方法も

費用

資金調達

起業家

準備

スタートアップ

起業

読了時間目安

4分

女性起業家にとって、起業のメリット・デメリットとは?

2025.05.07

女性起業家にとって、起業のメリット・デメリットとは?

女性起業家

起業家

起業

読了時間目安

4分

成功事例から学ぶ、オウンドメディア(記事ブログ)活用法。重要視すべき点とは

2024.11.25

成功事例から学ぶ、オウンドメディア(記事ブログ)活用法。重要視す...

ブログ

オウンドメディア

メディア

マーケティング

起業家

読了時間目安

8分

資金調達後の資金管理|失敗しない運用方法と注意点

2026.04.12

資金調達後の資金管理|失敗しない運用方法と注意点

資金調達

起業家

スタートアップ

起業

読了時間目安

5分

この記事をシェアする

Facebook X
リンク

リンクをコピーする