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2025.07.14
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様々な会社のリーダーや創業者の半生を追いかけて心躍らせる「創業者オタク すずきすい氏」に、多様な創業者たちの名言を紹介いただきました。今回は、小さな一打の積み重ねが大きな成功を生むと説いた、日本マクドナルド創業者・藤田田氏の言葉をご紹介します。
「人生に満塁ホームランはない。ゴロやバントを狙え。」
この言葉は、藤田氏がビジネスにおける堅実な戦略と思考法を表したフレーズです。1960年代後半、日本にはビートルズやヒッピーファッションなど、世界各国から様々な文化が流れ込んでいました。そんな中、藤田氏はアメリカからの最新情報に触れ、マクドナルド・コーポレーションの日本進出計画を知ります。
既に複数の大手企業がパートナー候補に名乗りを上げている中、藤田氏は資本力も知名度も劣る立場でレイ・A・クロックに直接アプローチ。事業部ではなく「起業家としての覚悟」を持って挑んだ藤田氏に、クロックは強い信頼を寄せ、日本マクドナルド設立が実現します。
1971年、記念すべき1号店を「日本の流行発信地・銀座三越」に出店。当時の日本ではハンバーガーは未知の存在で、藤田氏は「100%ビーフ」を大々的に打ち出し、新たな食文化を“ファッション”として日本に根づかせる戦略を取りました。結果、休日にはハンバーガーを片手に銀座を歩く若者が急増し、話題は瞬く間に全国へと拡散していきました。
藤田氏が語る「ゴロやバント」とは、決して一発逆転ではなく、地味な一歩一歩を意味しています。彼はハンバーガー事業を通して、小売業とは「一つひとつを売る積み重ね」であり、華やかな結果の裏には無数の地道な行動があることを示しました。
また、文化を根づかせるためには、単なる流行ではなく「生活に入り込む導線設計」が重要であるとし、戦略的に立地とマーケティングを考え抜いて行動しています。さらに、「努力×時間の法則」によって、人間の能力の差ではなく「どれだけその時間を本気で使えるか」が勝敗を分けるという信念を体現しています。
藤田田氏の「人生に満塁ホームランはない。ゴロやバントを狙え。」という言葉からは、次のような実践的な学びが得られます。
この言葉は、華やかな成功の影にある“毎日の一打”を見つめ直させてくれるものです。派手さの裏にある本質を見抜き、自分なりの「ゴロやバント」を続けることが、やがて満塁ホームランに勝る成果を生むのかもしれません。
言葉の力を纏って、さらなる挑戦へ。
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