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2026.07.15
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5分
起業初期に押さえておきたい“お金と仕組み”の知識をテーマ別にお届けする「知って得するシリーズ」。第6弾のテーマは「起業初期のコストダウンはどうする?オフィス・設備・働き方の考え方」です。
起業後1〜3年は、「売上の見通しは立ちにくい一方で、固定費は毎月確実に発生する」という時期です。
この記事では、起業初期のフリーランスや小規模な企業に向けて、「オフィス」「設備」「働き方」の3つの観点から、固定費を増やしすぎないための考え方を整理します。

起業直後は、「ちゃんとオフィスを構えないと信用されないのでは?」という不安から、賃貸オフィスや高額な設備の契約を検討しがちです。
しかし、賃貸オフィスは家賃に加えて、敷金・礼金・仲介手数料・前家賃などで、家賃の10〜12カ月分が初期費用としてかかるケースもあります。売上がまだ安定していないフェーズで、このような固定費を背負うと、キャッシュフローが一気に苦しくなるリスクがあります。
そこで起業初期は、「まずはシェア・サブスクで済ませて、できるだけ固定費を変動費にする」という考え方が有効です。家賃・通信費・サブスクなどの主要コストをざっくり洗い出し、「毎月この金額までならOK」と上限を決めたうえで、その枠の中でオフィス形態や設備を選ぶイメージです。

オフィスと言っても、選択肢は「借りる一択」ではありません。
ここでは代表的な5つのパターンを取り上げ、起業初期に適したものを整理します。
1. 自宅兼オフィス
2. コワーキングスペース・シェアオフィス
3. バーチャルオフィス
4. 小規模レンタルオフィス(サービスオフィスなど)
5. 一般賃貸オフィス
1.自宅兼オフィス
自宅をそのまま仕事場として使うパターンです。打ち合わせはオンラインやカフェ・貸し会議室で行う想定になります。
・月額コスト:追加コストほぼゼロ(光熱費・通信費の一部が増える程度)
・メリット:初期費用がほとんどかからない、通勤時間がゼロ
・デメリット:来客対応がしづらい、仕事と生活の境目が曖昧になりやすい
2.コワーキング・シェアオフィス
複数の利用者でデスクや会議室、Wi-Fiなどの設備を共有して使うオフィス形態です。月額で使えるフリーデスク型のプランが一般的です。
・月額コスト:1〜3万円前後が相場(エリアやプランによる)
・メリット:デスク・Wi-Fi・会議室などを共用で使える、他の起業家との交流も生まれやすい
・デメリット:固定デスクでない場合、荷物を置きっぱなしにできない、静かな環境を選びにくいこともある
3.バーチャルオフィス
実際の作業スペースは自宅などで確保しつつ、住所や登記、郵便物の受け取りだけをオフィス事業者から借りるサービスです。
・月額コスト:数百〜1万円台前後、初期費用も0〜1.5万円程度が多い
・メリット:住所・登記・郵便物受け取りなどを低コストで確保できる、実際の執務は自宅やカフェで済ませられる
・デメリット:常駐できるスペースはなく、来客対応や日常の作業は別途確保が必要
4.小規模レンタルオフィス・サービスオフィス
デスクや椅子、ネット回線などがあらかじめ整った個室や半個室を、月額で借りるタイプのオフィスです。
・月額コスト:数万円〜十数万円、敷金などは一般オフィスより抑えられるケースが多い
・メリット:机・椅子・ネット回線などがセットになっており、少ない初期費用で入居しやすい
・デメリット:長期で見ると、賃貸オフィスより割高になる場合もある
5.一般賃貸オフィス
通常の賃貸オフィス物件を契約し、自社で内装やレイアウトを自由に決める形です。敷金・礼金などの初期費用が大きくなりやすいのが特徴です。
・月額コスト:エリアにもよるが、1坪あたり2〜3万円程度+水道光熱費など
・メリット:自由度が高く、増員やレイアウト変更もしやすい
・デメリット:初期費用が高く、長期の固定費負担が重い
起業初期の1〜3人規模であれば、「自宅+シェアオフィス」「自宅+バーチャルオフィス」の組み合わせで十分なケースがほとんどです。売上がある程度安定し、「毎月このぐらいの家賃を払っても大丈夫」と言えるラインを超えてから、レンタルオフィスや賃貸オフィスを検討しても遅くありません。

オフィス形態と並んで悩みやすいのが、PCやプリンタ、家具・ITツールなどの設備です。ここでもポイントは、「なんでも最初から買い揃えない」「所有より利用を優先する」という視点です。
[主な設備の一例]
・パソコン(ノートPC・デスクトップ)
・プリンタ・複合機
・デスク・チェア・収納
・電話回線・ビジネスフォン
・オンライン会議ツール(Zoomなど)
・チャットツール(SlackやChatworkなど)
・会計ソフト・請求書発行ツール
これらの主な設備には、3つの選択肢があります。
選択肢①:購入する(新品・中古)
選択肢②:借りる(レンタル・リース・シェア)
選択肢③:クラウド・サブスクのサービスを使う
起業初期は「中古+共有設備+クラウド」を基本に、次のような優先順位で考えるのがおすすめです。
[最初からお金をかけたいもの]
・毎日長時間使うPC、椅子など、体調や生産性に直結するもの
[後回しでもよいもの]
・高機能な複合機、大型モニター、専用電話機など、まずはシェアオフィスの設備や個人用スマホ・小型プリンタで代用できるもの
[できるだけクラウドで済ませたいもの]
・会計・請求・顧客管理など、月額課金で使えるクラウドサービス
高価なオフィス家具や最新PC、業務用複合機をすべて新品でそろえると、初期投資があっという間に膨らみます。リース・レンタルや中古品、クラウドサービスを組み合わせることで、「今必要な機能だけ」を「少ない負担」で確保できます。
一方で、毎日長時間使うPCや椅子は、作業効率や体調に直結します。ここだけは、最初からある程度品質の良いものを選んでおくと、結果的にコスパが良くなりやすいです。

設備投資を考えるとき、「補助金で全額カバーできないか」と考えたくなるかもしれません。ITツールや業務効率化設備、販路開拓用サイトなどは、国や自治体の補助金の対象になることがあります。
代表的なものとしては、次のような制度が知られています。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
内容:会計ソフトや決済ソフトシステムなど、指定されたITツールの導入費を一部補助
参考:デジタル化・AI導入補助金2026│独立行政法人中小企業基盤整備機構(閲覧日:2026年4月21日)
https://it-shien.smrj.go.jp/
小規模事業者持続化補助金
内容:チラシやホームページ制作など、販路開拓のための取り組みを支援
参考:【公式】小規模事業者持続化補助金【2026年最新版】│小規模事業者持続化補助金事務局(閲覧日:2026年4月21日)
https://matome.jizokukahojokin.info
自治体の創業助成金・設備導入補助
地域ごとに、創業期の設備投資や家賃の一部を補助する制度があるケースも。
※「(お住まいの自治体名) 創業補助金」「創業 設備導入補助」などで検索すると、自治体の募集ページを探しやすいです。
補助金はあくまで「後から経費の一部が戻ってくる」仕組みであり、申請しても必ず採択されるとは限りません。また申請できる条件が定まっているなど、どの補助金にも申請できるわけでもありません。そのため、「補助金が出るなら買おう」ではなく、「自腹でもやりたい投資」のうち、条件に合うものだけを申請候補にするのがおすすめです。

最後に、見落とされがちですがコストに大きく影響するのが「働き方」です。
完全出社・ハイブリッド・フルリモートでは、家賃・交通費・時間コストのかかり方が大きく変わります。
少人数フェーズであれば、
・普段は自宅やカフェ・コワーキングで仕事をする
・打ち合わせやイベントのときだけ、シェアオフィスや貸し会議室をスポットで借りる
上記のような「オフィスを場所ではなく機能として“必要なときだけ借りる”」スタイルが現実的です。その際は、オンライン会議ツール・チャットツール・クラウドストレージなど、最低限のオンライン環境さえ整っていれば、複数人でも十分に連携できます。
一方で、「採用・ブランディングのために、あえてオフィスを持つ」という選択肢もあります。求人や取引の場面で、オフィスがあることで信頼につながる業種・規模もあるため、自分たちのフェーズと目的を整理したうえで判断することが大切です。

起業初期は、自宅・シェアオフィス・バーチャルオフィス、クラウドツールやレンタルなどを組み合わせて、できるだけ変動費型にしておくと安心です。
【押さえておきたい5つの視点】
・固定費の上限を決める
・自宅+シェア/バーチャルオフィスを起点に考える
・PCや家具は「中古+共有設備+クラウド」を優先する
・補助金は「自腹でもやりたい投資」の後押しとして活用する
・働き方も含めて、今のフェーズに合った形を選ぶ
これらを押さえておくことで、事業の成長に必要なところへ、お金と時間を集中しやすくなります。起業前の方は「最初にそろえるもの」を、すでに起業されている方は「見直せるもの」を一度整理してみるだけでも、無理のないコストダウンの第一歩になります。
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