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2025.08.11
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様々な会社のリーダーや創業者の半生を追いかけて心躍らせる「創業者オタク すずきすい氏」に、多様な創業者たちの名言を紹介いただきました。今回は、戦後日本の復興とともに事業を築き上げたリコー創業者・市村清氏の言葉をご紹介します。
この言葉は、市村清氏が自らの経験を通して語った、生き方と事業の根幹に通じる信念です。戦前・戦中・戦後という激動の時代を生き抜き、幾度となく困難に直面しながらも希望を捨てず、事業を再興した氏の人生がにじみ出ています。
中でも象徴的なのが、若かりし頃に上海で横領容疑をかけられ、半年間も留置所に拘束されたエピソードです。濡れ衣にもかかわらず、孤独な時間を過ごす中で、自らの信念と向き合い、再起を誓った市村氏。この経験を糧に、日本帰国後は保険外交や代理店業を経て、最終的にはリコーを創業するに至りました。
彼は後年の講演でも、「光は闇の中にこそ最も鮮明に見える」と語っています。この思想こそが、今回取り上げた言葉の背景であり、事業の指針でもありました。希望は状況ではなく、心の持ちようであり、そこに経営の原点があると市村氏は信じていたのです。
この名言に象徴されるように、市村氏の哲学は「希望とは状況に左右されるものではなく、自分の中に見出すものである」ということに尽きます。
実業家としての市村氏は、流通やコピー機分野など、常に人々の暮らしの中に必要とされる技術に注目し、その中で「信頼」を築いていきました。逆境の中でこそ試される経営者としての資質──それは、ぶれない理念と、絶えず希望を見出す姿勢そのものでした。
それは私たちの人生においても応用可能な視点です。うまくいかない時期や苦しい状況こそ、自分の希望や軸が試されている時間なのだと教えてくれます。
市村清氏の「人生というものは、たとえいかなる逆境・悲運に遭遇しても、希望さえ失わなければ、まったく消えてしまうものではない。」という言葉からは、次の3つの学びが得られます。
市村氏の人生から見えてくるのは、「絶望しない力」こそが創業者に必要な原動力だということです。
言葉の力を纏って、さらなる挑戦へ。
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