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会社設立時の助成金・補助金と無料サービスの活用ガイド

2024.08.14

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6分

助成金や補助金は、公的資金を源泉として、政府や地方自治体の政策に沿った事業に対して提供される支援制度です。会社設立時には、設立資金だけでなく、安定経営に至るまでの運転資金など大量の資金が必要になることが多いです。こうした状況下で、助成金や補助金、さらには融資を活用することによって、足りない自己資金を補うことができます。

金融機関からの融資は返済義務が伴いますが、国や地方自治体からの助成金や補助金は返済不要であるため、新設会社が直面する金銭的リスクや負担を軽減するのに役立ちます。本記事で、起業を目指す方々に向けて、会社設立時に利用できる助成金や補助金について詳しく見ていきましょう。

会社設立時に利用可能な助成金と補助金

会社設立時に利用可能な助成金と補助金

助成金と補助金の違いとそれぞれの特徴

助成金

国が事業者の労働環境改善を目的として提供する資金です。特定の条件を満たす場合、原則として給付されます。

補助金

政府が中小企業の活性化のために特定の事業に提供する資金です。補助金の支給には予算や件数の上限があり、全ての申請が承認されるわけではありません。

主な違い

助成金は条件を満たせば基本的に給付されますが、補助金は予算や件数に限りがあるため、審査を経て給付が決定されます。
申請期間についても、助成金は比較的長期間にわたり、補助金は短期間で設定される傾向にあります。
このように、助成金と補助金はそれぞれ異なる特徴と目的を持っており、会社設立時にこれらの資金を活用する際には、それぞれの条件や要件を理解し適切に申請することが重要です。

利用できる助成金・補助金の種類

利用できる助成金・補助金の種類

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者を対象に販路開拓にかかる経費のうち3分の2、最高50万円まで補填を受けられる国の補助金です。ほかにも販路拡大の方法など、商工会議所の指導を受けられることも大きなメリットです。

その年の予算規模や、申請数などで難易度が変わりますが、対象が限定されるほかの補助金と比べ、小規模事業者持続化補助金は対象となる事業範囲が広いことから比較的ハードルは低いと言えるでしょう。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは、中小企業や小規模事業者が取り組むものづくりや新事業を生み出すための設備投資やサービス開発などのために設けられた経済産業省の補助金です。

通常枠・回復型賃上げ雇用拡大枠・デジタル枠・グリーン枠・グローバル市場開拓枠・大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例によって分類され、それぞれ対象や補助率、支給金額が異なります。
通常枠の補助金額および補助率は以下のとおりです。

従業員数 (補助金額)
5 人以下 :100万円~750万円
6人~20人:100万円~1,000万円
21人以上 :100万円~1,250万円

補助率
1/2 :小規模企業者・小規模事業者
2/3 :再生事業者

IT導入補助金

IT導入補助金とは、企業が業務効率化を目的として、ITツールを導入する場合に費用を補助するための補助金です。

通常枠(A・B類型)

中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。

セキュリティ対策推進枠

中小企業・小規模事業者等のみなさまがサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を契機として新しい取り組み等を行う中小企業等及び、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業等を支援する制度です。

【経営革新事業】 

補助率:2/3又は1/2 補助上限:600万円以内又は800万円以内
※一定の賃上げを実施する場合は補助上限を800万円に引き上げ
(補助額の内600万円超~800万円の部分の補助率は1/2)

事業承継やM&A(事業再編・事業統合等。 経営資源を引き継いで行う創業を含む)を契機とした経営革新等(事業再構築、設備投資、販路開拓 等)への挑戦に要する費用を補助します。今回の公募より、同一法人内で承継予定の後継者候補による取組も新たに補助対象となります。
(補助対象経費:設備投資費用、店舗・事務所の改築工事費用 等)

【専門家活用事業】 

補助率:2/3又は1/2 補助上限:600万円以内
M&Aによる経営資源の引継ぎを支援するため、M&Aに係る専門家等の活用費用を補助します。
(補助対象経費:M&A支援業者に支払う手数料※、デューデリジェンスにかかる専門家費用、セカンドオピニオン 等)
 ※M&A支援機関登録制度に登録されたファイナンシャルアドバイザー(FA)またはM&A仲介業者によるFAまたはM&A仲介費用に限る

【廃業・再チャレンジ事業】 

補助率:2/3又は1/2 補助上限:150万円以内
再チャレンジを目的として、既存事業を廃業するための費用を補助します。
(補助対象経費:廃業支援費、在庫廃棄費、解体費 等)

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用の従業員を自社内でキャリアアップさせようと考えたときに申請したい助成金です。条件は「正社員への転換」に加え、「賃金規定を改定する」など、全部で7パターン用意されています(助成金の額はそれぞれ異なります)。創業時にアルバイトとして雇っていた人を社員化するなど、人材に関する変更を行う際はぜひチェックしておきましょう。

【正社員化コースの例】

対象 6ヶ月以上雇用実績のある契約社員・パート社員を正社員に登用し、さらに6ヶ月継続雇用した場合
支給金額 該当者1人につき最大72万円
申込方法 キャリアアップ計画を作成し、労働局またはハローワークに提出

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金とは、キャリアアップ助成金と同じく厚生労働省による事業主向けの雇用関係の助成金です。
雇用機会が特に不足する地域において、事業所の設置などにより求職者を雇い入れる場合に、設置整備費用及び対象労働者の増加数に応じて助成される制度です。

助成金や補助金の注意点

助成金や補助金の注意点

書類準備の負担

助成金や補助金の申請には多くの書類が必要で、これらを整えるのはかなりの労力が必要です。特に、補助金の申請では、高い競争率を勝ち抜くため、プロジェクトの価値を強調する必要があります。また、既に事業を運営している場合は、過去の帳簿が必要になることもあります。

助成金・補助金の採択は確約されていない

どれだけ優れた書類を用意しても、採択されるとは限りません。また、毎年の公募があるとは限らず、プログラムが変更または廃止される可能性もあります。

複数の助成金・補助金の受給制限

政府系の助成金や補助金は、同じ経費に対して複数の助成を受けることができない場合があります。しかし、応募自体は複数行うことが可能で、採択された後に選択することもできます。

自己資金の必要性

助成金や補助金は足りない資金を補う制度であり、事業運営には自己資金が必要です。補助金を利用する場合、使用した経費に基づいて支給額を申請するため、初期資金が不足していると事業運営に支障をきたす可能性があります。

補助金は後払い

多くの補助金は後払い制になっています。例えば総額300万円の事業で1/3の補助がある場合は、まず自社のお金で300万円を支出する必要があります。
補助金は先に出るものと勘違いし、200万円だけ用意して残りの100万円を用意しないと事業を進めることはできません。申請した事業総額と同額の資金を用意するようにしましょう。

支出する時期に注意する

補助金では事業期間を定めるのが一般的です。この事業期間に支出した経費以外は経費として認められず、補助を受けられないこともあります。

これらの点を理解し、計画的に助成金や補助金の申請を進めることが、事業の成功につながります。

無料で使える会社設立サービス

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まとめ

助成金や補助金を使う時は、しっかり計画を立てることが大切です。申請に必要な要件や書類を正確に準備し、資金を受け取るまでの時間や受け取れるかどうかの不確実性を念頭に置いておく必要があります。それぞれの補助金を目的に合わせてうまく使いこなし、専門家のアドバイスを受けながら、事業が長く続くように工夫しましょう。

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