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2024.11.06
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様々な会社のリーダーや創業者の半生を追いかけては心躍らせる「創業者オタク すずきすい氏」に、多様な創業者たちの名言を紹介いただきました。今回は、挑戦者にとって強力な指針となる似鳥 昭雄(にとり あきお)氏 : 株式会社ニトリホールディングス(ニトリ)創業者の言葉です。
似鳥氏は、北海道の小さな家具店から日本全国に展開する「ニトリ」を築き上げましたが、その成功は数々の挑戦と失敗を通じて得られたものです。彼の事業初期には、消費者の嗜好や市場環境の変化に素早く対応しなければならず、試行錯誤の連続でした。
1971年、ニトリは倒産の危機を迎えます。似鳥氏は当時、どうやったら痛い思いをせずに死ねるかということばかり考えていたほど、追い込まれた状況だったと言います。そんな危機的状況が続く1972年に実施したアメリカ視察旅行。何かヒントを掴めないかと、藁にもすがる思いで日本を飛び立ち、そこで衝撃を受けるわけです。家具やインテリア、一つとっても、日本とは全く違う世界観。質や機能、あらゆる面で日本の製品を凌駕している実態を目の当たりにしたのでした。この出来事が似鳥氏の人生を一変させ、なんとしてもこの世界観を日本に持っていかねばと興奮に駆られます。誰よりも早く、どの会社よりも早く、アメリカで見た商売を日本で実践せねばと奮い立ったわけです。日本の暮らしを変える。そのためには、スピード感が何よりも欠かせませんでした。
今回ご紹介する言葉には、失敗を次の成功への一歩とする柔軟な思考が凝縮されています。
「即断・即決・即行」というフレーズは、一瞬の迷いもなく決断し、すぐに行動に移すことを強調しています。そして「失敗してダメだったら、戻ればいいし、止めりゃいい」という言葉は、失敗を恐れず、むしろ失敗を次の一手に活かす柔軟さと覚悟を示しています。
似鳥氏は、自らを出来の悪い人間だと認識しています。ただ、チャンスと感じられた物事に対しては即行動できる自信だけは持っていると。そしてそれが、周りから見れば「短気な性格」であると分析しています。
社員に指示を出した際も、社員がすぐに行動を起こさなければ声を荒げて怒ります。「30秒以内に返事をせよ」これが口癖だそうです。
そんな似鳥氏も経営者になったばかりの頃は、「即断、即決、即行」を実践できずにいました。ゆっくりとしたペースで仕事をしているある日、「こんなスピード感では、100年経ってもビジョンを実現できそうにない」と焦りを感じ始め、仕事への向き合い方を改めたのでした。
そして、次第にあることに気づきます。即座に判断した結果、失敗に終わったとしても、その損失は、会社が潰れるほどのダメージを及ぼすことなく、次のより良い判断に繋がっていったのです。「提案において大事なのは、質ではなく量である」という考えも、まさに「即断、即決、即行」に通ずる考え方です。何回も何回も提案を繰り返す中で自然と質は向上していくのです。繰り返す前に、一回の失敗におびえていては、掴める成功も掴めないというわけです。
起業の道は決して簡単ではありませんが、似鳥氏のように「即断・即決・即行」の精神を持つことで、道を切り開くことは十分に可能だと考えます。行動を起こさない限り、成功も失敗も経験できません。まずは一歩を踏み出し、その後の失敗や困難を恐れずに進んでいくことが、起業家としての成長につながるのではないでしょうか。
「失敗してダメだったら、戻ればいいし、止めりゃいい」という言葉からは、完璧を求めず、まず行動する勇気をいただけます。初めの一歩を気負いしすぎる必要はありません。失敗を恐れず、挑戦を続けることで、成功への道は必ず見えてきます。
似鳥氏の言葉から学ぶべきことは、
・ビジネスにおいてスピードと柔軟性が重要
・失敗を恐れるのではなく、失敗から学び、次の挑戦に繋げることが重要
と読み解けます。
これから起業しようとする挑戦者にとって、この言葉は、初めの一歩を踏み出すための勇気となることでしょう。言葉の力を纏って、さらなる挑戦へ。
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