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2025.03.05
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6分
マーケティング初心者にとって、「マーケティングプロセスの基本の流れとは?」「戦略を考えるうえで、気をつけるべきこと、効果的な方法は?」など気になるのではないでしょうか。この記事では、マーケティングプロセスの基本からフレームワークの種類や選び方、戦略の立案やBtoBとBtoC戦略の違いまでご紹介します。マーケティングの全体像を掴んで、一歩進んだ戦略立案のヒントを見つけてください。
マーケティングプロセスとは、商品やサービスを市場で成功させるために行う一連の活動のことを指します。消費者のニーズを的確に把握し、それに基づいた戦略を立てることが重要です。
まずはマーケティングの基本的な流れをご紹介しましょう。
①市場調査
消費者のニーズや悩みを探ります。
②ターゲット市場の設定
どの消費者層に焦点を当てるかを決めます。
③マーケティングミックス(※)の策定
広告やPRイベントを通じて、製品の認知度を高め、消費者にアプローチします。
(※マーケティングミックス:製品、価格、プロモーション、流通の4つの要素。それぞれの要素をどう組み合わせるかを考え、販売促進活動を行います)
④評価とフィードバック
「何が上手くいったか」「改善すべき点はないか」などを分析し、次に活かします。
このように、常に改善を繰り返すことでより良い結果を目指します。
市場調査を行ってデータを収集します。そして、得られたデータから競争環境や消費者行動を解析し、製品やサービスの改善策を立てましょう。分析結果はマーケティング戦略の策定にも役立ちます。定量的、定性的情報を包括的に分析することが大切です。
セグメンテーションとは、市場を特定の基準に基づいて複数のグループに分けることです。各グループは共通の特徴やニーズを持つため、企業は各グループに対するアプローチを効率的に行うことができます。
効果的なセグメンテーションの方法を、ステップごとにポイント付きでご紹介します。
①市場調査
正確かつ詳細な情報を収集しましょう。
②データ分析
顧客のニーズや嗜好を正確に把握するため、詳細にデータ分析を行います。
③データを基に基準を設定し、グループ分けの実施
年齢や性別だけでなく、ライフスタイルや購買履歴も考慮しましょう。
④マーケティング戦略の作成
グループ分けしたグループに対して、適切なマーケティング戦略を策定します。
(例:高齢者向けには健康関連の商品を、若者向けにはトレンドに敏感な商品を提供するなど)
⑤セグメンテーションの定期的な見直し
定期的に見直し、必要に応じて調整します。この点を意識することで、市場の変化に迅速に対応できます。
・スターバックス
この企業は、顧客ごとに異なるニーズに対応するため、店舗環境や商品ラインを多様化しました。例えば、学生向けの落ち着いた雰囲気の店舗や、ビジネスマン向けの仕事ができる環境を提供しています。また、さまざまな季節限定商品や地域限定商品を提供することで、顧客の興味を引き続けています。
・P&G
この企業は、細かな顧客のニーズに対応した製品を提供することで市場で成功しています。例えば、洗濯用洗剤の場合、粉末や液体、濃縮などの「製品タイプ」や、除菌・抗菌など高機能な「イノベーション」をセグメンテーション戦略に活用し、成功を収めています。
参照:P&Gジャパン合同会社
ターゲティングとは、自社の商品やサービスを魅力的に感じる可能性が高い特定の集団を選び出し、その集団に集中してマーケティング活動を行うことです。広告やプロモーションの効果を最大化したり、無駄のないマーケティングが可能になります。
ターゲティングの具体的な手法をご紹介します。これらの手法を組み合わせ、効果的なターゲティングを目指しましょう。
・市場セグメンテーション
市場全体を複数の異なるグループに分け、それぞれのグループの特性を分析します。
・ペルソナの作成
ターゲットとなる典型的な顧客のプロフィールを詳細に描き出し、その顧客がどのようなニーズを持つかを把握します。
・コンジョイント分析
顧客が商品やサービスを選ぶ際、何を重視するか分析する方法です。
・リターゲティング
一度訪問したユーザーに再度アプローチすることで、コンバージョン率を高める手法です。
・データの見直し
市場環境や顧客のニーズは常に変化しているため、定期的にデータを更新し、ターゲットの選定を見直します。
ターゲティングを成功させるために、これらを意識するようにしましょう。
・ターゲットの明確な定義
・メッセージのカスタマイズ
・広告やプロモーション、商品開発などにおける一貫性
・結果を常に検証し、改善していく姿勢
・柔軟性
ポジショニングとは、自社の位置を確立する戦略です。企業は自社の商品やサービスの特性を明確にし、顧客が求める価値を提供します。競合他社との差別化を図り、市場評価を高めましょう。
また、ポジショニングマップの活用も有効です。ポジショニングマップは、二つの軸を設定し、自社を含む競合他社の位置をプロットします。
[ポジショニングマップの作成手順]
・まず、軸となる要素(例:価格と品質、革新性と伝統性など)を選定
・次に、各企業をマップ上に配置し、強みや弱みを分析(競争優位性を発揮できる分野の明確化)
その結果、自社が市場でどの位置にいるか視覚的に理解できます。
マーケティングフレームワークを活用すれば、市場分析や顧客理解が深まり、効果的なマーケティング活動が実現します。適切なフレームワークを選び、状況に応じて柔軟に利用しましょう。
代表的なフレームワークと特徴をご紹介します。戦略を考える際は、ぜひ活用してみてください。
・SWOT分析
企業内部の強みと弱み、外部の機会と脅威を把握し、戦略を構築します。
・4P分析
製品、価格、場所、プロモーションの4つの要素を分析し、マーケティング戦略を策定します。
・STP分析
市場をセグメントに分け、ターゲットを定め、ポジショニングを明確にします。
・PEST分析
政治、経済、社会、技術の4点から外部環境を分析します。自社を取り巻く外部環境が現在や将来に与える影響を把握・予測するために活用されます。
フレームワーク選定の際は、次に挙げる3点に注意して選びましょう。
・自社の目的や目標に合ったフレームワークを選ぶ
・市場環境や競争状況に応じて、最適なフレームワークを選定する
・時には複数のフレームワークを組み合わせる
マーケティング戦略とは、企業が市場で成功するための計画や手段です。目標達成のために、どのような市場に参入すべきか、プロモーションを行うかなど具体的な方針を定めます。マーケティング・ミックスも考慮しながら、全体のバランスを鑑み施策を策定しましょう。
戦略立案のステップをご紹介しましょう。
①目標設定
②現状分析を行い、市場や競合の状況を把握。
③目標に合った戦略を複数考え、最適なものを選定。
④③の戦略を具体的な施策に落とし込む。
⑤実施計画を立て、実行。
重要なことは、このステップをただ行うのではなく、定期的に進捗を確認し、必要に応じて修正を加えることです。そうすることで、より効果的な戦略が実現するはずです。
実施計画の立て方、効果測定の手順をご紹介します。
[実施計画の立て方の手順]
①目標を具体的に設定(時間とリソースを考慮して現実的に設定する)
②実行のためのステップを詳細に分け、各担当者を決定
③各ステップの期限を設定し、進捗管理の方法を決定
加えて、リスク管理のための対策も計画に含めておきましょう。
[効果測定の手順]
①施策開始前に、具体的な目標値を設定
②目標値を基に、定期的に進捗を評価(アンケート調査や売上データの分析など)
③一連のデータを収集・分析し、施策効果を客観的に判断
④評価結果に基づき、次の施策を改善
BtoB(企業間取引)は、製品やサービスの複雑さや取引金額が高いことが多いため、その戦略は長期的な信頼関係構築に焦点を当てます。一方、BtoC(企業対消費者取引)は、消費者の即時性や感情に基づいて短期的な取引が多く、魅力的なマーケティングと迅速な対応が求められます。このように、BtoBとBtoCでは、目指すべき成果やアプローチが異なるのです。ただし最終的には、どちらの戦略も顧客に価値を提供することが共通の目的となります。
マーケティングプロセスには、「顧客ニーズに基づいた戦略」そして「効果測定により改善し続ける姿勢」が重要だと理解いただけたのではないでしょうか。より深くマーケティングを学ぶことにつながったり、さまざまな手法やフレームワークを取り入れて、自社のビジネスを成長させるきっかけになれば幸いです。
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