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2025.01.13
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様々な会社のリーダーや創業者の半生を追いかけて心躍らせる「創業者オタク すずきすい氏」に、多様な創業者たちの名言を紹介いただきました。今回は、ついつい辛い現実から逃げたくなる挑戦者にとって強力な指針となるウォルト・ディズニー氏:ウォルト・ディズニー・カンパニー創業者の言葉です。
ウォルト・ディズニー氏の人生は、困難な環境と、それを乗り越えるための夢と創造力に満ちたものでした。シカゴで生まれた彼の家庭は決して裕福ではなく、幼少期から多くの苦労を経験しました。幼い頃、ディズニー一家は犯罪が蔓延する都会の環境を避け、自然豊かなミズーリ州マーセリーンへ移住します。この田舎町での生活は、彼の創作の基盤となる世界観に大きな影響を与えました。ウォルト自身も、「私の人生に影響を残すような出来事は、すべてマーセリーンで起きた」と語っています。
しかし、その平穏も長くは続きませんでした。父親の農業経営の挫折により、家族はカンザスシティに移住。父親の体調不良も重なり、一家を支えるためにウォルトは9歳の頃から新聞配達に従事します。学校に通いながらも、早朝から夜遅くまで一日も休むことなく働き続ける生活でした。なんと新聞配達をしていた6年間で休んだのはたったの五週間だけ。配達の合間に、他の子どもが遊ぶ様子を横目に、玩具でひそかに遊ぶのが唯一の息抜きだったといいます。
学校生活でも、ウォルトは教科書の端に絵を描いては周囲を楽しませたり、チャップリンの真似をして笑いを取るなど、働きづめの現実からの逃避を図る一方で、創造力を発揮していました。特に絵を描くことは彼の心を掴み、夢中で描き続ける中で「努力が評価される」という感覚を初めて味わっていくのでした。この経験が、彼にとって夢を具体的な行動へと変える原動力となったのです。
その後、芸術系の学校でさらに絵を学び、第一次世界大戦時には軍に入隊しながらも隙あらば絵を描き、依頼を受けて報酬を得ることもありました。この時期、彼は夢を描くだけでなく、目標に向けて行動する力を養っていくのでした。
兵役を終えた彼は、「目標に向かってまっすぐ進む」という信念を抱き、自身の夢に挑戦することを決意しました。父親の反対を押し切ってアートの世界に進むことを選び、現実から逃避するためではなく、夢と計画を通じて「目的と踏ん張る理由」を見出す人生を歩み始めました。この言葉には、彼の幼少期から築かれた強い信念と行動力が凝縮されています。
ディズニー氏の言葉には、「夢やアイデアが人に力を与える」というメッセージが色濃く出ています。彼にとって夢や目標は、当初は自分の意思にそぐわない働きづめの現実から逃れる為のものでした。その逃避が自分にチャンスを与え、現実をより良いものに変えるためのエネルギー源となっていったのでした。
幼少期の新聞配達の日々や家族の生活苦の中で、彼は「夢を見ること」が自身の救いであり、それを形にすることで初めて現実と向き合う勇気を得ていました。教科書の端に描いた絵で仲間を喜ばせた体験、初めて絵の報酬を受け取った感動が、彼の人生における創造の原動力となったのです。
ディズニー氏は「目的があれば人は踏ん張れる」と考え、困難な状況でも夢や計画を手放さず、挑戦を続ける力を育みました。この信念が、後にディズニーの世界観が世界中で魅力を放つ大きな要因となっていきます。
夢やアイデアは、時に自分を苦しめるものからの逃避でもあります。その逃避は決してネガティブなものではなく、行動のエネルギーとなり、困難を乗り越える力を与えるものとも成り得るのです。ディズニー氏の言葉は、ついつい辛い現実から逃げたくなる挑戦者にとって行動の指針となる力強いメッセージです。
この名言から学べるポイントは
これから挑戦を始める方にとって、この言葉は自分の夢を行動に移し、現実に変えるための後押しとなるでしょう。夢を持つだけでなく、その実現に向けて動き出しましょう。言葉の力を纏って、さらなる挑戦へ。
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