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2025.11.18
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エンジェル投資家とは、スタートアップや創業間もない企業に対して、自己資金を出資する個人投資家を指します。彼らは主に「事業の初期」や「黒字になる前」のスタートアップに投資し、資金面だけでなく経営ノウハウや人脈の提供など、多岐にわたってサポートしています。
もともと「エンジェル(天使)」という言葉は、19世紀アメリカで劇場や事業のスポンサーを意味したのが起源と言われています。現代では“新しい挑戦を本気で応援してくれる存在”として、日本でも注目度が高まっているのです。
実際に多いのは元起業家、大手企業のOB、資産家、ITやテクノロジー分野の専門家などです。自らも挑戦・失敗・成功を経験した人がメインと言えるでしょう。
関連する話題のなかで「ユニコーン企業」「ペガサス企業」という言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。
どちらも「爆発的成長」の象徴であり、エンジェル投資家はその“芽”となる企業をいち早くサポートする役割を担っています。

エンジェル投資家の一番の特徴は「融資」ではなく「出資」です。
つまり、調達したお金を返す必要はありません。その代わり、株式を渡します。将来企業が成長した際の株価上昇やIPO、M&A(会社売却)時に株式比率に応じてリターンをシェアするのです。成長性が高いテック系スタートアップに、特に好まれる資金調達法です。
特に注意したいのが「成長すればするほど、出資比率が残る」点です。後から大きなVC(ベンチャーキャピタル)に追加出資を求める際に、初期エンジェルの持株が足かせになってしまうケースも考えられます。その点も想定して、資本政策を立てましょう。

「エンジェル投資家はどこにいるの?」という問いに、2020年代のいま最も現実的な答えは、ポータルやマッチングサイト、起業家向けイベント、そして知人の紹介です。
主なエンジェル投資家プラットフォーム
・ StartupList(スタートアップリスト)
日本最大級の起業家・投資家のマッチングサービスです。1万以上のスタートアップ、3,000人以上の投資家が登録しています(※2025年10月時点)。
https://www.startuplist.jp
・ ANGEL PORT(エンジェルポート)
ユニコーンを目指す起業家とエンジェル投資家をつなぐコミュニティです。投資家が起業家に興味を持つと、アドバイスをもらうこともできます。
https://angl.jp
・ Founder(ファウンダー)
日本最大級の起業家&投資家募集サイト。事業計画・自己PRを通じたマッチングが可能です。ベテラン経営者から若手・初挑戦の起業家まで、門戸が広いことが特徴です。
https://found-er.com
プラットフォームを利用するほか、SNSやLinkedIn(リンクドイン)、起業家仲間の紹介も王道です。加えて、起業家・投資家イベントへの参加、ピッチコンテスト、地銀・信用金庫経由の紹介、起業家コミュニティで地道にネットワークを築く方法も効果的です。
銀行や公的金融機関との違い
銀行融資もはじめは小額なら比較的通りやすいですが、赤字が続いていたり自己資本が不足していたりすると厳しくなります。「返済不要の出資」でリスクを取りやすいのがエンジェル投資家の強み。“成長資金がすぐ必要”な時にベストな選択肢となる理由です。

エンジェル投資家のサポートがマッチしやすいのは、特にテック系(IT、AI、バイオ、Webサービス等)の「まだ黒字化していないけれど、成長性の高い企業」です。
toB、toC問わず「資金さえあれば一気に事業を拡大できる」というステージの起業家・成長志向スタートアップに向いています。
こうした“先を急ぎたい起業家”が、仲間やメンターだけでなく資金パートナーとしてエンジェル投資家と一緒に成長を目指すケースが増えています。

ベンチャーキャピタル(VC)は経営規模や成長の「数字」が大きくなってから動くことが多いため、“シード・アーリー”段階ではエンジェル投資家が現実的な選択肢です。VCは資金規模が大きいぶん審査ハードルも高く、調達に時間がかかる傾向も。
一方で、エンジェル投資家は「起業家の人柄や熱意」まで見て踏み込む点や、意思決定が早い点が大きな違いです。

エンジェル投資家は、お金×経験×人脈を一度に取り込める“実践的成長エンジン”とも言える存在です。「株を渡す=返済不要」は最大の強みですが、その分、資本政策や経営権のシェアという責任も大きくなります。
丁寧な資本設計、信頼できる相手選び、そして自分のビジョンを明確に持ち続けることが、成功と失敗を分けるカギです。テック系・成長志向の起業家ほど、エンジェル投資家を味方につけて「次の世界」を目指しましょう!
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